ぱからん、はからん

ものつくりの、ものかき。

あなたのなまえは紅いお茶

紅茶をガラスのコップに注いでみました。

そうしたら紅茶って、やっぱり赤かった。

 

飛行機で

「red teaを欲しい」

と言った日本人の方が、

「ごめんなさい、普通のblack teaならあるけど」

と返されていて気付きました。

 

日本人の中では、赤いお茶で

英語の世界では黒いお茶。

 

それはきっと訳でも正しさでもなくて、

赤いと思った感覚と、

黒いと思った感覚がそこにある。

 

赤いと思ったのは、この透き通る液体の赤を見たのかもしれない。

白い磁器はだにうっすらのこるべっ甲色。

ガラスの器が映した紅葉のように揺らぐ光。

白いふきんについ跳ねてしまった染みの色。

 

カツンと軽い音を立てる磁器は、ガラスはその時代にあったのか。

真っ白いふきんは使われていたのか、

それは綿なの麻なのか。

おばあちゃんが縫ってくれたみたいな丁寧な縫い目は、そのふきんにあったのか。

 

どの時代に何があって、どっちが先で、

どんな暮らしのどんな人たちがたしなんだか、

ひも解かれるきっかけは、

 

そこに 紅い と名前を付けた感覚かもしれません。

 

英語もきっと、色んな色のお茶が出てくるまでは、

teaだったでしょう。

そこに色が足されていく。

 

blackと言ったのは、茶葉を見たのかもしれません。

 

いつも使う名前って、深くしみこんでいる。

 

ダージリンでも、アールグレイであっても、

紅茶であるとき、そこに紅があるようです。

 

 

あなたの名前にはどんな物語がありますか?