ぱからん、はからん

ものつくりの、ものかき。

盛大なるおもちゃ

昔、おもちゃをたくさん知っていた気がする。

 

ハサミがお気に入りだった。

切れるし、形を「描ける」し。

 

ペットボトルがスタメンで、

たまにゲットできる薬の小さい瓶なんて、贅沢な代物

茶色い磨りガラスの表面に、透明なマニキュアを塗ったら

それだけで自慢のアート作品だった。

 

ハサミだって、鉛筆だってペンだって、

全部がわくわくするものだった。

 

私がカメラを手に入れたのは小学校六年生くらいだった気がする。

通信教育のポイントをためてやっともらった、

プラスチックのフィルムカメラ

グレーとオレンジ色だったのを覚えている。

 

そのあとは、おじいちゃんが使わなくなったものを借りたり、

中学生がピークの写真フリークだった。

あまりに撮りすぎて、自分の目でほとんど見ていないなんて

たまげたことに気付いてしまってからあまり撮らなくなった。

 

アートの世界に入って、

「プロフェッショナル」なものを幾つも手に入れた。

まずは受験時代の「色んな堅さの」鉛筆、

めちゃくちゃ細い、カッター式消しゴム

45度のカッター(30度は持っていません)

サークルカッター、などなど。

 

大学に入ってからそれは加速し、

MacBook、デジタル一眼、その他もろもろ。

 

今、気付きました。

 

わくわくしながら手に入れた楽しいものたちが、

 

ぜんぶ「仕事道具」になっていたことに。

 

技術を、表現を、広げてくれるけれど、

いつの間にかそんな下心のある左脳の実用の一部になっていた。

デジタル一眼も主に仕事の撮影用。

 

おもちゃって、

別に上手いも下手もないですよね。

プレッシャーも何もなく使うことも許されてる。

 

いくら本物っぽく、高くなっても、

それはちょっと盛大なだけで、楽しいおもちゃ。

 

今日から始まる休日旅に、

ひさしぶりにそのおもちゃを

持っていくことにしました。

 

 

あなたの、盛大なおもちゃは何ですか?