ぱからん、はからん

ものつくりの、ものかき。

こどもの世界?

絵本を手に取る回数が増えた。

あることに気付いてから。

 

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今日、古本屋で気になって購入した本。

 

「絵本はおとながかいている。」

つくる側にいるにもかかわらず、

こんなシンプルなことにやっと数年前に気付いた。

 

こどもに伝えたいことをかく。

描く/書く。

私よりさらに十数年数十年生きた先輩が

「これを子ども達に伝えたい」と思ったことをかいた本。

生きてみて、大切だと思ったこと。

ややこしいことは伝わらないから、

シンプルになる。

 

最初から純粋無垢なものと違う、

ややこしいもの、からひとすじ抜き出された本随、

蒸留されて透き通ったもの、

余計な部分がとれたもの。

 

子ども向けの本にひろがる世界を

子どもの世界、とくくって、

純粋で汚れのない無菌室におさめるのではなく、

ある程度年を取った自分にも向き合わせてみる。

 

「おとなの世界は」

「世の中は」

 

「私は」ではない、

拡張されて一般化された主語が、

そこにある何かをごまかそうとしているとき、

もっと個人的な問題を内包しているとき

どうにもできないあきらめのような、

にぶい声が響く。

 

もうそれに自信すら持ち合わせてしまったかもしれない。

 

それでも、そんな主語に頼らない「おとな」を私は幾人も知っている。

 

シンプルな世界の光は

硬そうな甲冑で覆った

「おとなの世界」を

実はたやすく破壊してしまうかもしれない。

 

それは防具と武器をまとう「べきはず」の戦場へ、

すっぱだかでやってきて、

ただあなたに笑顔を向けるかもしれない。

 

 

赤ちゃんは、ただまだしゃべれないだけで

実は色んなことをすでに理解できているという。

 

こどもの世界と、おとなの世界は、

別世界でなく、異次元でもなく

繋がっているはず。

 

絵本を手にとってみると、

思い出した方がいいことに気付かされます。

 

どうぞよい一日をお過ごしください。