ぱからん、はからん

ものつくりの、ものかき。

空間エネルギーの点

植物のある空間。

 

衣食住の「住」の話。

f:id:hotorikoisu:20160324075055j:plain

今の部屋に住むまで、花はもっと特別なものだった。

花は人に贈るもののような気がしていて、

自分のために日常に買うのは贅沢かな、と思っていた。

 

大家さんと同じ家に住んでいるのだが、

お客さんがよく訪れることもあり、

玄関に花が飾られていることが多い。

買った花、庭から摘んできた花、さまざま。

 

それを見ながらしばらく過ごして、

あるとき、自分のために一輪のバラを買ってみた。

 

おどろくけれど、

ただそんなことが、シンプルに部屋の雰囲気を明るくするのだ。

ただ綺麗に生きている存在がそこにあること。

 

その前から、ミントの鉢植えは置いていたけれど、

花はまた違う。

 

十一月頃にシクラメンの鉢植えを頂いて、

一個の花が咲き終わると、次のつぼみがでてきて

この三月まで花をたやさない姿をながめていた。

植物がゆっくりと眠る冬に、

街の人もエネルギーが弱くなる冬に、

そえられたエネルギーの点。

 

便利さを、シンプルさをもとめることは

どんどん進んでいく時代。

でもその空間の中で生活する

「生き物」としてのエネルギーや心地よさは

どんな高級なインテリアでもなくて、

特別にデザインされたものでもなくて、

 

自分のコントロール下に置けるもの以上の、

もうひとつの生命が

もたらしてくれるのかもしれない。

 

 

自分の家に花をそえてみませんか?