ぱからん、はからん

ものつくりの、ものかき。

アイディアの蛇口

インスピレーションがどこから来るのか。

 

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〈夕暮れウェールズの港でひねった蛇口

 

起きている間ずっと

寝ている間ずっと、

アイディアを考え続けているとき。

 

または

「さあ、来い」

と静けさの中で座禅するとき。

 

来いと言ってもまあ来てくれない。

 

蛇口をひねろうが、

その蛇口がまわしすぎて取れようが、

水源がなければ出ないものはでないのだ。

 

インスピレーションは

湧き水の方に近い。

 

それがありそうなところに歩むことや、

波長を合わせることや

水源探知機を作動させつづけること

それは出来る。

 

でも、

出るときは出る。

ああっ

という間に噴き出して、

頭からずぶぬれになりながら

すくおうとする動作も追いつかないままに、

ある程度すくって、

あふれた分は一瞬で土に吸い込まれる。

 

その土に吸い込まれた、

「なにかあのときヒントが垣間見えた気がする」

すくいきれなかった分の水も出てくる。

 

足下の水たまりに目を凝らしても、

吹き上がったとき、光を透かして見えた、

あの「何か」は見えない。

 

だから一回湧けば、

全部がわかるわけじゃない。

 

段階があるのだ。

 

そのあふれた分が地層を通って

また地下で合流して

循環していくように、

 

そしてまた同じ水源から、

違う地上に

顔を出すように。

 

その水源は、

実は自分の中の地下で繫がっている、

ひとりひとりが見える違う成分の流れであって、

外から突如として現れる、

だれかの答えではないのかもしれない。