ぱからん、はからん

ものつくりの、ものかき。

オープンへ 第0章《2016年マウイ回想》

自然な流れに乗っているとき、
いろんなことがスッと決まり、
足の先にトントンと飛び石が据えられる。

決断も、ご縁も。
2018年のマウイはそんな流れだった。

流れは突然はじまるわけではなく、
単体では語れないので、
2年前の回想から始めていく。

2016年初めてマウイに降り立つことは、
えいや、って勇気のいる決断だった。
だからこそ、
誰かに少しでも止められたら揺らいでしまいそうで、
誰にも何も言わず、
予約を完了してからの事後報告だった。

2月の曇り盛りのロンドンから、
とにかく太陽と海を求めて(笑)

つらすぎて、ロンドンから逃げたかった。
いろんな状況から抜け出したかった。
普通に数ヶ月もがいてもダメだったから、
大きなキラキラした渦へ飛び込むしかないと思った。
その渦の先が見えなくても。


3フライトを乗り継いで20時間。

私にとってのマウイ島は唯一行ったことのあるハワイで、
自然に囲まれて静かな場所。
暖かい場所。

そこでの植物たちは活き活きとしていて
空気は花の香りに包まれて、
私たちは時間と場所に身を委ねていくだけ。

このツアーは、
全てを忘れて楽しむバケーションのような、ただ心地の良いものではなく、
ドロドロとしたものも湧き出てくる。
よくわからない恐怖、
戻らなければいけない(と思っている)現実
自分と他人とをくらべる妬み、
とか。

それは自分一人だけに起こる変化ではなく、
みんなそれぞれに起こる。
比較ではなくて、
それぞれが自分の人生の課題と向き合う時間。

自分の感情、想いをみんなで共有して行く。
マウイではカッコつけが通じないみたいで、
素直で、子供みたいな、カッコ悪い想いも
涙と一緒に出して行く。


ロンドンにいる時、
ある時期から自分の状況をうまく人に話せなくなった。

誰かのせいじゃない。
たぶん、
それは私の理想からあまりにかけ離れていて、
かっこ悪くて情けなく思っていたから。

少しでも話し出すとぶわっと泣き出すし、
いちいち泣くのも情けなかったから封をした。

断片だけを言葉にして、わかったようにされるのが嫌だったのかもしれない。


マウイではそれを全部出していった。
全部を話してないのに、
不思議と感情は全部出ていった。
つらい、こわい、
そんなシンプルな感情を出した。

自分の素直な感情を私が認めていなかったから
苦しかったんだ。

そして、
自分を受け止めることを、
みんなでやれたことは
本当に心強かった。

わかったような振りをしたりされたりするんじゃなくて、
ただ受け止める。

ひとりだけど、
ひとりじゃない。

誰も何も教えてくれない。
だって、自分と誰かとは違うから。
自分が内側の気持ちに気づく、
地道で丁寧な作業。


そして2018年のマウイへーーーーー